すぅさぃどあちゃんぶろぐ

めめめんへらあちゃんぽよ

日記

夏目漱石のこころって作品、奥が深すぎて頭こんがらがるけど大好き。

 

簡単なあらすじ

 

生徒と先生の話。

 

よく恋の話をする先生に生徒が、先生は過去にどんな恋愛をしたのかを聞く所から始まる

 

主人公はある宿の娘に恋してしまうんだけど、

主人公が友人Kに相談を持ちかけると、逆にKに冷たくあしらわれてしまう。

でも、時が経つにつれ、Kも娘に恋をしてしまい、主人公に相談することになる。

 

 

本文に入る

 

そもそもこの物語は先生が書いている遺書なのであるのだけれど、そこはきっと本を読んでもらった方がわかると思う。

 

 

 

さて、このK、ものすごく生きづらそうな性格をしていて、よく言って真面目、純粋。悪く言って単純、人に騙されやすい。自分の突き進む道には必ず進まなければいけない、たとえ邪魔するものがあってもそれを排除してまで突き進まなければならないなんて堅苦しい考えの持ち主なんだ。

 

この主人公にKは「向上心のないものはバカだ」なんて言ったものだから、

Kが恋に悩みに悩んでいる時、きっと同じことをしてやろうと主人公もまったく同じことを言ってしまう。

自分の信じる道とそれを邪魔するもの(恋)の間で悩んでいたKだけど、その悩むという行為さえも本当に教えを守るのであれば必要のない行為なんだろう。

Kはきっと気づいてしまった。

今まで信じていた教えより、恋の方を諦めきれないと。

そこで、主人公は言ってしまった

「諦めればいけない」と、友人に言ってしまった

そしてどうしても諦められないけれど、自分の信じる教えも破れないKは命を経つことを選ぶ

 

 

K~!!!!!!なんでなんだ!!!!!!どうしてそこまで教えに従うんだ!!!!!!幸せになっていいんだぞ~!!!!!!

と心から思ったけどそれを出来ないほどの真面目さだったんだろうな……ここまでくると本当に可哀想になってくる。

私は死んでしまったら元も子もないと思うタイプなんだけど、Kは「教えを守れないような不届き者は死んだ方がマシだ」なんて考えだったんだろうなって思う。

Kが残した遺書には「もっと早くに死ぬべきだったのにどうして生きていたんだろう」なんて書いてあって、なんて救われない。だれか楽な生き方を彼に教えてやってくれないか。

 

私はKより、どちらかといえば主人公(先生)よりの人間だし、主人公の方が人間味があって好きだったりする。

人よりも私が幸せになりたいし、自分の幸せのためならなんだってすると思う。時にはずるいこともしてでも。それが通常の人間であるとさえ思う。

 

 

ここで王道な少女漫画なら、真面目で純粋なKに娘も惹かれ、奇しくも主人公を置いて交際を始める、なんてこともあったかもしれないが、ハッピーエンドで終わらないのが文豪の書く小説。人間味があって鬱々としていてとても面白かった!